溶射材料で選ぶ
金属・合金溶射材料
溶射の最大の利点は、ほとんどあらゆる材質・形状の母材に、厚い皮膜をつくれること。例えば、破損・摩耗した部品をステンレス鋼で肉盛り補修することも得意です。もちろん、合金も多士済々ですから、用途・役割も多彩。クリアランス制御や、セラミックコーティングの下地材としても活用されます。
材料名 | 主成分 | 皮膜特性 |
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ステンレス鋼 | Fe-13Cr | 基材に対する熱影響の少ない肉盛り補修ができる。 耐摩耗性が有り、機械部品に有効 |
Fe-17Cr-12Ni-2.5Mo | 基材に対する熱影響の少ない肉盛り補修ができる。 耐摩耗性、耐食性が有り、機械加工性が良い。 |
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金属 | Al | 溶射による表面粗さの自由度が高い。 |
Ni | Ni、Ni合金肉盛、セラミックコーティングの下地材として使用される。 | |
Mo | 高融点のため溶融鋼に強い。 基材金属と自己結合性がある。 |
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合金 | Ni-Cr | 980℃までの耐熱・耐酸化性がある。 セラミックコーティングの下地材としても使用される。 |
Ni-Al | 800℃まで耐酸化性があり、自己結合性が特に高い。 セラミックコーティングの下地材にも使用される。 |
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MCrAlY | NiCrAlY CoCrAlY NiCoCrAlY |
高温での耐酸化性に優れる。 高温(800~1100℃)で使用されるセラミックコーティングの下地材として使用。 |
アブレイダブル材料 | Ni-Cr-Al-BN | 540~815℃までのクリアランス制御用。 |
Ni-C | 480℃までのクリアランス制御用。 | |
Al-Si-Polyester | 350℃までのクリアランス制御用。 |